骨のカルシウム量が減って、骨がスポンジのように粗くなり、骨折しやすくなる病気です。
閉経後の女性や高齢者に発症しやすく、ちょっとしたことで骨折が生じ、それが引き金になって体の具合が悪くなり、時には寝たきりになってしまうこともあります。
骨は20~30歳第で最も丈夫になりますが、その後年とともに弱くなっていきます。これは老化に伴い、骨をつくる細胞の働きが弱まったり、刺激を与える運動量が減ったりすることのほか、腸からのカルシウムの吸収を助ける活性型ビタミンDが不足し、カルシウムの吸収が低下することも骨のカルシウム量不足の原因になり、骨を弱くします。
骨粗鬆症になると、腕の付け根、背骨、手首、太ももの付け根を骨折しやすくなります。背骨がつぶれると、身長が低くなったり、背中が曲がってしまいます。また、太ももの付け根を骨折すると、寝たきりの原因になります。
丈夫な骨にするためには血液中にカルシウムをたくさん取り込み、それを骨へ呼び寄せなければなりません。そのためには、しっかりとカルシウムを採ってまずは、血液へカルシウムを送りこむ必要があります。
骨粗鬆症の治療には1日700~800mgのカルシウム摂取がすすめられています。ただし、同時にビタミンDの摂取も考慮するべきだと言われています。ビタミンDは食事からのカルシウム吸収を助ける働きがあります。
●乳製品
牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品にはカルシウムが多く含まれています。牛乳を飲むと下痢気味になる人はヨーグルトにしたり、牛乳を温めて、少量から飲むなどしてください。
●小魚類
骨ごと食べられる小魚や干しえびはカルシウムをたくさん含んでいます。腸からの吸収率は30%と低いのですが、他のミネラルも多く含み、健康食の代表です。煮干しやめざしを使った食事メニューでカルシウムをたっぷり摂るようににてください。
●海藻類
海水には血液の4倍のカルシウムが含まれています。そこで育った海藻類にはカルシウムやミネラルが多く含まれています。サラダや煮物・酢の物など普段の食事に海藻中心の料理を1品食べるのも海藻類をたくさん摂るコツです。
●野菜類
野菜の中でも緑の濃い野菜、緑黄色野菜にはカルシウムがたっぷりと含まれています。春菊や大根の葉にもカルシウムが豊富ですが、小松菜には沢山のカルシウムが含まれています。小松菜のお浸し1皿で牛乳1本分のカルシウム摂取に相当します。ちりめんやキャベツはカルシウムの吸収が高いとの報告もあります。他の栄養素やビタミンのことを考えると緑黄色野菜は多く摂りたい食べ物です。
●大豆製品
豆腐やがんもどき、納豆にはカルシウムが沢山ふうくまれています。豆腐なら2/3丁、大きめのがんもどきなら1個、納豆2パックなどに含まれているカルシウム量は牛乳1本分に相当します。これらはカロリーも低いのでカルシウムを摂りたいけど、太りたくないという方にはピッタリの食べ物です。
ゴマにもたくさんのカルシウムが含まれており、ゴマだれやゴマ豆腐もおすすめです。