血液検査などで尿酸値が高かったら、痛風の危険性があります。
近頃の食生活の欧米化にともない、血清尿酸値の高い人が多くなってきています。
血清尿酸値が高いと、高尿酸血症になり、放っておくと関節などに激痛を伴う痛風に進行します。
痛風発作の予防には尿酸値を6.0mg/dL以下に抑える必要があります。
よって7.0mg/dL以上であれば高いと言われる可能性はあります。
7.0→8.0→9.0mg/dLと上がるにつれて痛風発症にリスクが高まります。
尿酸は血液中に溶け込んでいますが、量が増えると溶け切らない過剰な尿酸が結晶化して関節に溜まります。運動などをきっかけに尿酸塩結晶の一部は関節液中にはがれ落ちると、それを敵と見た白血球が集まってきます。白血球が攻撃を始めたとき、炎症を起こす物質がでます。これが痛みの原因です。
尿酸とは「プリン体」という物質が体内で分解されてできる燃えカスです。
プリン体は運動したり臓器を動かしたりするためのエネルギー物質で、常に体内で作られています。
エネルギー代謝・新陳代謝により体内で作られるプリン体もあれば、食品から供給されるプリン体もあり、これらのプリン体は主に肝臓で分解され、尿酸になり、一時的に体内に溜めこまれた後、尿や便として排泄されます。
しかし、何らかの原因で排泄と生成のバランスが崩れて体内に尿酸が増えると、高尿酸血症になってしまいます
お酒や砂糖入り清涼飲料水をよく飲む。
プリン体の多い食品をよく食べる。
激しい運動をすることがある。
20歳以上の男性。
肥満
ストレスを抱えている。
血縁者に痛風の人がいる。
まずは生活習慣の改善が必要です。いくら薬で痛風のリスクを抑えても、高尿酸血症になる人の生活習慣に心筋梗塞や脳卒中などの合併症をきたす危険が潜んでいるからです。
このことを念頭におき、まずは5つの習慣を心がけましょう。
1.摂取エネルギーの抑制
摂取エネルギー(カロリー)を抑えて肥満を解消するだけで尿酸値は下がります。肉や魚の内臓や干物はプリン体が多いので食べ過ぎないようにしましょう。
2.節酒
アルコール自体に尿酸値を上げる作用があります。
プリン体カットビールだからといって飲みすぎてはいけません。
日本酒 1合 ビール 500ml ウイスキー 60ml までにしましょう。
3.1日2Lの飲水(心臓病などで水分制限している場合は別)
たくさんの尿で尿酸を排泄するため、水やお茶を1日2L以上飲みましょう。
砂糖を多く含清涼飲料水は逆に尿酸値を上げてしまうので飲みすぎに注意しましょう
4.適度な運動
ベンチプレス100キロや100メートルダッシュなどの無酸素運動は尿酸値上昇の原因になります。
話しながらでもできるウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動で肥満やストレスを解消しましょう。
5.ストレスのない生活
ストレスは尿酸値を上昇させる危険因子です。人と話したり身体を動かしたり趣味に没頭したり、自分にあった方法でストレス解消をしましょう。
医師は病状や尿酸値の推移、過去の痛風発作の状況、合併症の有無など調べたうえで、必要な場合に薬物治療を開始します。生活習慣の改善を根気よく続けて、尿酸値が低い状態を保つことができればお薬を飲まなくても良くなることもあり得ます。
薬をやめられるかは努力次第です。